フォード コスワース BDシリーズ 16V ツインカム 4cyl


ケータハムでは、BDRエンジン搭載車両が存在し、基本的にはBDAのディチューン版です。
BDとはベルトドライブの略で4気筒ツインカム16バルブのエンジンです。
BDA、BDR等はフォードのケント鋳物のエンジンベースでシリンダーヘッドはコスワース製で生産しています。
ケータハム以外にもキットで売られていましたので数多く存在します。



BDA 1969~1601cc 120 Bhp. ベルトドライブのツインカム16V Kentのトールブロック
BDR 1983~1601cc 120 Bhp. BDA ベースケータハム用1700cc の150, 170 Bhp仕様が存在。
BDG 1973 1975cc 275 Bhp. フォミュラー2用B DFのラリー開発用,後期型はアルミブロック
BDP 1984 1975cc 245 Bhp. US仕様メタノールインジェクション仕様アルミブロック。

シリンダーヘッドが上下に2分割されており、一般的なエンジンとは異なり非常にメカニカルで精密な分解整備には高等技術が必要です。
旧型のままの仕様ですとオイルのにじみ等も多くありますので、最新の部品と混用して組み立てる必要があります。


BDAはハイチューンですが、BDRはケータハム社が依頼してカムやポート形状等を見直しディチューンしており非常に乗りやすく設計されています。
その後、排気量を上げた1700ccのBDRも存在してきます。
具体的な高度な技術とはカムシャフトにはアイマークなどが無くテーパーロックのため、バルブタイミングを正確に理解、調整出来るレベルでないと組み上がっ
てもきちんとした出力は得られないという意味です。
通常オーバーホールであっても、バルブシートを無鉛仕様に変更するなど、タペットのクリアランスも正確に取り、長く乗れる日本仕様にするには少々経費がか
さみます。
2分割のヘッドの上側をカムホルダーと言いますがガスケットは存在しません、一般的な液体パッキン等を使用することは厳禁です。
プロフェッショナルにお任せすることが大切です。BDRはノーマルのクランクやコンロッドですが、ピストンはコスワースの専用品が使用されています。
致命傷を負えば修理不能になってしまいますので、日頃からのメンテナンスが重要なエンジンです。
手間は掛かりますがスポーティーなエンジンは多くの人たちの、あこがれる最高のエンジンとも言えるでしょう。

  

シリーズの中では特にパフォーマンスに優れているのがやはりBDGです。
非常に高価な理由はアルミのブロックであり標準ではニカジルのメッキが施され、エンジン重量VSパワー比ではこのエンジンに勝る物は多くありません。
現存するBDGは、過去にF2やスポーツカーのレース用として使用されていたものが多いはずです。
レースで使用済みのものは単純にバラして組み立てても、痛んでいる事に違いはなく、完全な物にするには基本的な部分を作り直すなど かなりの費用がかかり
ます。
もちろん中途半端な知識では馬力を出すことはできません。キャブ仕様やルーカスのメカニカルインジェクション仕様では、確実な設備をもって出力調整を行わ
ない限り非常にピーキーな特性になります。
点火時期だけでも3次元化してレブリミットを設定するのが安全な方法です。もちろん電子制御インジェクションが最適と言えます。

このエンジンはクランクはスチールのフルカウンター、コンロッドはI型の鍛造品が標準で長さも異なります。
ロッドのメタル幅も細いタイプとなっています。当社では レーシング使用でない場合、特殊ライナーを製作してストリートで十分耐久性に富み、長く使用出来
るエンジンに改良した上で260ps程度で納めています。